醸造業の酵素 - ビール製造では、大麦は麦芽(制御された条件下で発芽)にされ、窯で処理されて麦汁ができます。 麦汁はホップで処理され、加熱処理後酵母で発酵後、殺菌ろ過され、ビールとなります。
麦芽化工程の目的は、酵素生産(特にα-アミラーゼおよびβ-グルカナーゼを促し、澱粉およびβ-グルカンを効率良く分解することです。 この工程で重要な酵素はα-アミラーゼ、β-アミラーゼ、β-グルカナーゼおよび限界デキストリナーゼですが、キシラナーゼもある程度の 効果が期待できます。マッシング(糖化工程では、多糖を分解して発酵性糖を液中に最大量生成することが目的です。
麦汁およびビールの濾過速度に影響し、またビールの白濁にも影響するβ-グルカン管理の重要性は良く知られています。 一方、アラビノキシラン濃度が製造に影響するかについてはまだあまり明確ではありません。
ジュース産業では、搾汁時のジュース収量を増加させるために酵素が使用され、清澄化にも使用されます。ペクチン質の分解により収率が向上しますが、コストが掛かります。 また分解した多糖が自己会合して白濁や沈殿物(例:アラビナン白濁)を形成することもあります。
分析対象 | カタログ番号 | 分析対象の特性 | メガザイム分析キットの特徴 | |
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1 | α-アミラーゼ | K-AMYLSDK-CERA | 麦芽品質の重要な指標。 澱粉中のα-1,4グルコース結合を加水分解するエンド型酵素。 麦汁糖化段階の間に澱粉から発酵性糖を生成する。 |
新規分析法。厳選された修飾オリゴ糖基質。 高感度。自動分析法 に適切 Ceralpha Method: AOAC Method 2002.01; AACC Method 22 02.01; ICC Standard Method no. 303; RACI Standard Method; CCFRA Flour Testing Working Group Method 0018 |
2 | α-アミラーゼ | P-BLDX | 麦芽品質の重要な指標。 澱粉中のα-1,4グルコース結合を加水分解するエンド型酵素。 麦汁糖化段階の間に澱粉から発酵性糖を生成する。 |
α-アミラーゼ自動化測定法、特にScalar CFA装置法に広く採用 |
3 | α-アミラーゼ | T-AMZBG | 麦芽品質の重要な指標。 澱粉中のα-1,4グルコース結合を加水分解するエンド型酵素。 麦汁糖化段階の間に澱粉から発酵性糖を生成する。 |
新規分析法。迅速な反応。安定な試薬。 発芽大麦のα-アミラーゼ測定に最適 |
4 | β-アミラーゼ | K-BETA3 | 麦芽品質の重要な指標。 澱粉やデキストリンの非還元末端からマルトース単位で加水分解するエキソ型酵素。麦汁糖化段階の間に澱粉から発酵性糖を生成する。 |
キットのみ提供。迅速です。RACI 標準法 |
5 | 麦芽アミラーゼ | K-MALTA | α-アミラーゼとβ-アミラーゼの測定用。麦芽品質の重要な指標。 麦汁糖化段階の間に澱粉から発酵性糖を生成する。 |
K-CERAとK-BETA3分析キットのセット品 |
6 | β-グルカン (大麦、オーツ麦) |
K-BGLU | 大麦、オーツ麦胚芽の主要細胞壁構成多糖。β-グルカンが多いと麦汁の粘度が上昇 | 迅速な反応、安定な試薬。酵素的手法によるキットのみ提供。 AOAC Method 995.16; AACC Method 3223.01; ICC Standard Method No. 166; RACI 標準法 |
7 | β-グルカナーゼ | K-MBGL | 麦芽化ならびに糖化工程におけるβ-グルカン分解に必要な酵素。β-グルカナーゼの添加は糖化工程で実施。β-グルカンが多いと麦汁の粘度が上昇 | 新規分析法。厳選された基質。 高感度。自動分析法に適切 |
8 | β-グルカナーゼ | K-MBG4 | 麦芽化ならびに糖化工程におけるβ-グルカン分解に必要な酵素。β-グルカナーゼの添加は糖化工程で実施。β-グルカンが多いと麦汁の粘度が上昇 | 迅速な反応、安定な試薬。RACI標準法 |
9 | β-グルカナーゼ | T-BGZ | 麦芽化ならびに糖化工程におけるβ-グルカン分解に必要な酵素。β-グルカナーゼの添加は糖化工程で実施。β-グルカンが多いと麦汁の粘度が上昇 | 新規な基質採用。迅速な反応、安定な試薬。 RACI 標準法 |
10 | D-グルコース | K-GLUC K-GLUHK |
麦汁中の主要な発酵性糖。マルトースやリミットデキストリンの構成単位。発酵中の酵母生育に必須。 | 迅速な反応、安定な試薬。 |
11 | 限界デキストリナーゼ/プルラナーゼ | L-LDZ | 澱粉や分岐マルトデキストリンのα-1,6結合を加水分解する重要な酵素。麦汁発酵を高度に進める場合に補填される。 | 新規な基質採用。迅速な反応、安定な試薬。RACI標準法 |
12 | 限界デキストリナーゼ/プルラナーゼ | K-PULLG6 | 澱粉や分岐マルトデキストリンのα-1,6結合を加水分解する重要な酵素。麦汁発酵を高度に進める場合に補填される。 | 厳選されたオリゴ糖基質を用いた新規分析法。 高感度。自動分析法に適切 |
13 | 1級アミノ態窒素 (PAN/FAN) |
K-PANOPA | 麦芽と麦汁の品質指標。遊離アミノ酸と短鎖ポリペプチドから遊離アミノ態窒素(FAN)が生じる。FANは発酵中の酵母生育を助長する。 | 新規手順。迅速な反応、安定な試薬。 |
14 | 総澱粉量 | K-TSTAK-TSHK | 澱粉は、穀類の主要な貯蔵炭水化物源である。澱粉の糊化および酵素加水分解は、発酵可能な糖への変換に必須であり、麦汁製造の糖化工程中に生じる。 | GOPOD法もしくはヘキソキナーゼ/G6PDH法を用いた迅速分析法。試薬は安定です。 AOAC Method 996.11; AACC Method 76 13.01; ICC Method No.168;RACI Standard Method |
15 | エンド-β-キシラナーゼ | T-XAX | 麦芽キシランを分解する主要酵素 | 厳選された基質、高感度。安定な試薬 |
16 | エンド-β-キシラナーゼ | K-XYLX6 | 麦芽キシランを分解する主要酵素 | 高感度で再現性に優れた迅速比色定量法。自動分析法に適切。自動分析機に最適 |
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